橋脚・基礎の補修補強

フロリダ型壁高欄の適用

平成7年に発生した兵庫県南部地震においては、橋脚の倒壊など甚大な被害が生じ、特に昭和55年以前に設計・施工された下部構造に大きな被害が生じました。兵庫県南部地震のような大きな強度を有する地震動に対して既設下部構造を補強するためには、落橋などの致命的な被害に結びつかないよう、橋脚の耐力向上を図るとともに、じん性を高める必要があります。また、橋脚・基礎の補強では、施工空間や交通条件などの周辺環境条件が、工法選定、工事計画に大きく影響します。
 したがって、耐震補強工事を効率的に行うためには、既設橋脚・基礎に対する所要の耐震性能を把握するとともに、補強構造・工法の選定が重要になります。


兵庫県南部地震被災状況

代表的な橋脚・基礎の補強工法

RC橋脚の補強

・RC巻立て工法
・鋼板巻立て工法
・炭素繊維巻立て工法
(アラミド繊維巻立て工法)

鋼製橋脚の補強

・縦方向補剛材の補強
・角補強
・コンクリート充填補強

基礎の補強

・増し杭工法
・地中連続壁増設工法
・鋼管矢板基礎増設工法
・ケーソン基礎増設工法
・地盤改良
(液状化地盤・軟弱地盤対策)

橋脚・基礎の補強設計

耐震補強基本方針の設定

既設橋の設計図書、補修・補強履歴等の既往資料から、設計条件、構造諸元を整理します。また、施工空間や交通条件などの周辺環境条件が補強工事の実施に大きく影響するため、補強工法検討に先立ち現場踏査を行い、施工条件を整理します。
そして、現橋の耐震性能を把握した上で、耐震補強の基本方針を設定します。右図に一般的な橋脚・基礎の補強設計フロー図を示します。なお、設計図書が不明の場合には、既設橋建設当時の設計基準等に基づき、復元設計を行います。

橋脚補強工法の検討

既設橋脚の耐震性能結果に基づき、所要の耐力・じん性補強、ならびに補強工法の検討を行います。この場合、経済性・施工性のみならず、基礎への影響度を十分に考慮して補強構造・工法を選定します。

基礎の照査・補強検討

基礎の補強は、一般に工期、工費、および周辺環境に大きな影響を及ぼすため、補強の要否の判定は、慎重に行う必要があります。施工空間や周辺状況等から、工事の実現性、周辺環境への影響度を十分調査の上、下記の橋梁全体としての耐震補強対策との対比も含め、基礎補強の可能性(実現性)を判断します。その上で、基礎の補強設計を行います。

橋梁全体としての耐震補強

基礎補強が不可能と判断された場合には、上部工の支承条件、構造系の変更等による地震力の分散・低減化対策を設定し、それらの補強設計を行います。

施工計画

既設橋の補強工事では、新設橋に比べ施工条件の厳しい場合が多く、施工ヤードの確保、資機材の搬入計画、仮設構造、および交通対策等についても検討し、施工計画を行います。
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